大和ハウスの断熱性については、冬に寒いという意見と保温性がしっかりしていて暖かいという意見が分かれています。そこで、本記事では大和ハウスの断熱性能について検証し、大和ハウスで家を建てる際に気になる「寒さ」の問題について解説します。
結論を先にお伝えすると、こちらです。
私の結論では、大和ハウスの断熱材の性能は他社と変わらないため、大和ハウスの家も寒いとは言えないと考えています。むしろ、他社よりも断熱性能をアップさせるための商品に選べる幅があり、優れていると言えます。
しかし、せっかくの高機能も現場での施工ミスによって断熱性能が下がってしまうことは十分あり得ます。現場での施工に問題がないかは確認する必要があり、最後までしっかりとチェックして断熱性能が高い家づくりができます。
詳細については、本記事をご覧ください。
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大和ハウスの断熱材は高性能グラスウール
大和ハウスは、高性能なグラスウールを断熱材として使用しています。
断熱グレードが3段階もある大和ハウスでは、壁の断熱はいずれも高性能グラスウールを使用しています。
部位 | スタンダードV断熱仕様 | ハイクラスV断熱仕様 | エクストラV断熱仕様 |
天井 | 高性能グラスウール14k | 高性能グラスウール14k 高性能グラスウール16K | セルロースファイバー25k |
壁 | グラスウールボード100k 高性能グラスウール14K | グラスウールボード100k 高性能グラスウール14K | グラスウールボード100k 高性能グラスウール14K |
床 | 高性能グラスウール | 高性能グラスウール | 硬質ウレタンフォーム |
グラスウールとは
まずグラスウールとは何かについて説明します。
グラスウールは、再利用されたガラスびんなどの資源ごみから作られるガラス繊維であり、主原料の80%以上がリサイクルガラスから生産されています。このふわふわの繊維は、ミクロン単位の微細な繊維が熱を伝えにくい空気を閉じ込め、断熱性能を高めるために使用されます。
グラスウールのメリット・デメリットを表にまとめるとこちらになります。
メリット | デメリット |
・材料費を安く抑えられること ・施工が容易で手軽に行えること | ・水分に弱く、濡れると断熱性能が失われること ・隙間なく施工する職人の技量が求められること |
WELLNEST HOME(ウェルネストホーム)の記事を参考に紹介すると、グラスウールは材料費を抑えられるため、経済的な断熱材として注目されています。また、施工が容易で専用機器も必要なく、手軽に行えるのも魅力の一つです。サイズも現場で調整できるため、施工コストも低く抑えられるメリットがあります。
反対にデメリットとして、グラスウールは湿気に弱いため、施工方法には注意が必要です。袋詰めの状態で施工するか、透湿防水シートを使う必要があります。また、隙間なく施工するためには職人の高度な技術が必要で、適切な押し込み方や隙間を作らないようにする必要があります。そのため、施工には熟練の職人が必要となる場合があります。
そして、高性能グラスウールは、一般的なグラスウールよりも繊維が細く、密度が高くなるため、より効果的な空気室構成が可能となり、優れた断熱性能を発揮することができます。
鉄骨造住宅における断熱性能
ここから大和ハウスの鉄骨造住宅における断熱性能について紹介します。
鉄骨は、強度が必要な家づくりに欠かせない素材です。しかし、外部の熱や冷気を室内に伝えやすい傾向があります。そこで、高性能の断熱材を使って、天井、外壁、床を隙間なく包み、窓周りにも断熱対策を施すことで、住宅全体を高断熱化しています。このような高断熱の家は、住宅全体が快適な空間を保ち、夏や冬の温度変化に影響されずに、冷暖房費用を大幅に削減することができます。
そして、大和ハウスは、外張り断熱通気外壁を使用しています。
外張り断熱通気外壁によって外部の熱や冷気を遮り、部屋の熱を逃がさない構造となっているため、冬は暖かく、夏は涼しい環境を提供しています。
またオリジナルの高密度グラスウールボードと呼ばれる特別な断熱材を、鉄骨フレームの外側に施すことで、熱損失や鉄骨の温度低下を抑えることができます。
熱を外に逃がさない気密性
建物の中で快適な温度を維持するためには、断熱性だけでなく高気密性も必要不可欠です。しかし、隙間があるとどんなに断熱性が高くても、快適な温度の空気が外に逃げてしまいます。
そこで、高気密性を実現するために、家全体の隙間を徹底的に塞ぎ、熱が漏れないように様々な気密化対策を実施しています。設備配管貫通部や内部柱廻りなどには「気密テープ」を、外壁と天井の取合い部には「防湿・気密シート」を採用することで、家の中の暖かい空気や冷たい冷気を逃がさないようにしています。
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3種類の空調システム
高断熱・高気密な家だけでなく、さらに快適な暮らしを実現させるために大和ハウスには空調システムがあり、なんと3種類も空調システムがあります。
エアヒーリング | エアサルーン | エアスイート | |
種類 | 全館空調 システム | リビングフロア 空調システム | 独自の空調 システム |
特長 | 高効率ルームエアコン1台で 住まい全体の空調を行う | ビルトインエアコン1台で 1階のフロア全体の空調を行う | 最大10台のルームエアコンで 住まい全体の空調を行う |
他社の場合、全館空調システム1つのみで選択肢に限りがある中、家庭用エアコンが故障しても対応ができるエアスイートなど施主のニーズに合わせて選ぶことができます。
それぞれについて、詳しく見ていきます。
全館空調システム「エアヒーリング」
大和ハウスのエアヒーリングは、24時間365日、心地良くクリーンな空気環境を提供します。
2タイプの快適空間を選べ、家じゅうの空気を清浄・循環し、窓を開けなくても1年を通じてクリーンな空気環境を実現します。また、各部屋で空調をコントロール可能で、ヒートショックや熱中症の対策に有効な温度のバリアフリー化も実現しています。これにより、常に快適な室内環境を実現するだけでなく、健康にも配慮した生活を送ることができます。大和ハウスのエアヒーリングは、省エネ性にも優れ、地球環境にも貢献することができます。
リビングフロア空調システム「エアサルーン」
大和ハウスのエアサルーンは、リビングフロアの空調システムです。
1階のリビングを中心に、低コストで効率的に心地よい空気を届けます。フロア全体の温度環境を最適に制御し、健康で快適な生活空間を提供します。さらに、「空気浄化ef」により、空気を清浄にし、高換気も実現。洗面室や廊下などの居住スペース以外の場所でも快適に過ごせます。エアサルーンは省エネ性にも優れ、地球環境にも貢献します。大和ハウスのエアサルーンを採用すれば、家族が快適に過ごせるだけでなく、健康面でも配慮した生活を送ることができます。
独自の空調システム「エアスイート」
大和ハウスの「エアスイート」は、家族のライフスタイルや生活パターン、家族構成、ライフステージの変化に合わせて、快適で身体に優しい温度環境を作り出すことができる省エネシステムです。家中のエアコンを集中制御することで、2つのプログラムパターンと4つのモード設定で、各部屋の温度を自動コントロールできます。メインコントローラーと最大10台のエアコンに取り付け可能な発信器とのセットで構成されているため、異なるメーカーのエアコンも制御することができます。また、エアコンが故障して将来買い換えた場合でも対応可能です。
さらに「xevo」との組み合わせにより、少ない電力で快適な室温を維持することができ、従来の住宅全体の温度を一律で制御する「全館空調システム」と比べて、CO2排出量や年間の光熱費も約半分に抑えることができます。大和ハウスのエアスイートは、省エネ性能に優れ、家族のライフスタイルに合わせた快適な室温を実現することができます。
全館空調システムでは、1つ故障した場合のリスクを考えて導入を見送る人も、エアスイートであれば安心です。
次は、大和ハウスはどの地域で家を建てることができるのかについて確認していきます。
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全国各地で施工できる断熱仕様を用意
大和ハウスは、日本全国に展開する住宅メーカーであり、北海道から沖縄まで、全国各地に多数の住宅展示場やモデルハウスを構えています。これらの展示場やモデルハウスは、住宅を建てたい人々にとって、非常に有益な情報源となっています。
大和ハウスの住宅展示場がある地域
地方名 | 県名 |
北海道・東北(13件) | 北海道(2件)・青森県(1件)・岩手県(2件)・宮城県(4件)・秋田県(1件)・山形県(0件)・福島県(3件) |
関東(78件) | 茨城県(6件)・栃木県(2件)・群馬県(4件)・埼玉県(14件)・千葉県(14件)・東京都(21件)・神奈川県(15件)・山梨県(2件) |
北陸・信越(10件) | 新潟県(1件)・富山県(1件)・石川県(2件)・福井県(1件)・長野県(5件) |
中部(32件) | 岐阜県(4件)・静岡県(6件)・愛知県(18件)・三重県(4件) |
近畿(25件) | 滋賀県(2件)・京都府(3件)・大阪府(8件)・兵庫県(8件)・奈良県(3件)・和歌山県(1件) |
中国(15件) | 鳥取県(0件)・島根県(0件)・岡山県(5件)・広島県(7件)・山口県(3件) |
四国(6件) | 徳島県(1件)・香川県(3件)・愛媛県(1件)・高知県(1件) |
九州(15件) | 福岡県(8件)・佐賀県(1件)・長崎県(1件)・熊本県(2件)・大分県(1件)・宮崎県(1件)・鹿児島県(1件)・沖縄県(0件) |
大和ハウスの住宅展示場がある日本地図
赤色の塗っている箇所が大和ハウスの展示場がある地域です。
公式ホームページには、北海道から九州四国まで、さまざまな地域に対応した住宅プランが掲載されています。それぞれの地域に合わせた設計や構造を採用し、寒冷地や高温多湿な地域でも快適に過ごせる住宅を提供しています。
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大和ハウスの断熱性能を検証する
ここからは、日本全国で展開している住宅メーカー、大和ハウスの断熱性能について具体的に検証していきます。大和ハウスは、高い断熱性能を実現するために、断熱材や窓枠、換気システムなどにこだわっています。
具体的に、大和ハウスが採用する外皮平均熱貫流率(UA値)と熱抵抗値(R値)について見ていきます。
外皮平均熱貫流率(UA値)の検証
外皮平均熱貫流率(UA値)は、住宅の断熱性能を示す重要な数値です。この値が低ければ低いほど、熱損失が少なくなり、エネルギー効率が高い住宅となります。UA値は、建物外皮の面積に対する室内の熱損失量を合計して算出されます。つまり、熱が外にどれだけ逃げやすいかを示す数値となります。
大和ハウスの公式ホームページには、UA値の数値が公開されていないことがありますが、プランによってはゼロエネルギーハウス(ZEH)に対応する住まいを実現することができます。そのため、UA値が0.6以下であることが基準値を満たしていると言えます。
他のハウスメーカーとも比較しました。
鉄骨造住宅ハウスメーカーの外皮平均熱貫流率(UA値)比較
ハウスメーカー名 | UA値 |
ヘーベルハウス | 0.60 |
セキスイハイム | 0.60 |
パナソニックホームズ | 0.60 |
積水ハウス | 0.50? |
トヨタホーム | 0.60 |
大和ハウス | 0.50? |
基準値(建築物省エネ法5.6) | 0.87 |
住宅の断熱性能を表すUA値では、低いほど高い性能を持つことになりますが、大和ハウスのUA値は基準値である0.87よりも低いため、高い性能を備えています。
同じ鉄骨造住宅のハウスメーカーでも、外皮平均熱貫流率(UA値)が近いことが多いため、大和ハウスが他社と比べて寒いということは言えません。
熱抵抗値(R値)の検証
次に、熱抵抗値(R値)という、断熱材の性能を表す数値について見ていきましょう。 この数値は、値が大きいほど高い断熱性能を示します。より高い断熱性能を実現するためには、熱伝導率の低い断熱材を使用し、また断熱材の厚みを増やしていく必要があります。
大和ハウスの3段階ある断熱グレードをそれぞれ紹介していきます。
スタンダードV断熱仕様の断熱材における熱抵抗値(R値)
部位 | 断熱材 | 厚さ | 熱伝導率 | 熱抵抗値 | ||
天井 | 高性能グラスウール14K | 100mm | 0.100 | 0.038 | 2.63 | |
壁 | グラスウールボード100k | 12mm | 0.012 | 0.042 | 0.29 | 3.44 |
高性能グラスウール14K | 120mm | 0.120 | 0.038 | 3.16 | ||
床 | 高性能グラスウール | 67mm | 0.067 | 0.038 | 1.76 |
ハイクラスV断熱仕様の断熱材における熱抵抗値(R値)
部位 | 断熱材 | 厚さ | 熱伝導率 | 熱抵抗値 | ||
天井 | 高性能グラスウール14K | 100mm | 0.100 | 0.038 | 2.63 | 5.26 |
高性能グラスウール16K | 100mm | 0.100 | 0.038 | 2.63 | ||
壁 | グラスウールボード100k | 12mm | 0.012 | 0.042 | 0.29 | 3.44 |
高性能グラスウール14K | 120mm | 0.120 | 0.038 | 3.16 | ||
床 | 高性能グラスウール | 67mm | 0.067 | 0.038 | 1.76 |
エクストラV断熱仕様の断熱材における熱抵抗値(R値)
部位 | 断熱材 | 厚さ | 熱伝導率 | 熱抵抗値 | ||
天井 | セルロースファイバー25k | 300mm | 0.300 | 0.040 | 7.50 | |
壁 | グラスウールボード100k | 12mm | 0.012 | 0.042 | 0.29 | 4.81 |
高性能グラスウール14k | 172mm | 0.172 | 0.038 | 4.53 | ||
床 | 硬質ウレタンフォーム | 60mm | 0.060 | 0.024 | 2.50 |
大和ハウスの熱抵抗値(R値)について計算してみました。
それでは、その数値を鉄骨造住宅における熱抵抗値(R値)の基準値と比較してみることにしましょう。大和ハウスが建てる住宅の断熱地域区分は、建築物省エネ法によれば断熱地域1~7に区分されます。
建築物省エネ法の地域区分 | 都道府県名 |
1、2 | 北海道 |
3 | 青森県、岩手県、秋田県 |
4 | 宮城県、山形県、福島県、栃木県、新潟県、長野県 |
5、6 | 茨城県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、富山県、 石川県、福井県、山梨県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、 滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、 島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、 高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県 |
7 | 宮崎県、鹿児島県 |
8 | 沖縄県 |
こちらが鉄骨造住宅の地域区分と熱抵抗値の基準値です。
大和ハウスの住宅展示場がある1~7までの地域区分における基準値をピックアップしています。
断熱材の熱抵抗値の基準値
(木造、枠組壁工法又は鉄骨造の単位住戸・ 外張断熱工法または内張断熱工法)
部位 | 地域区分1・2の 熱抵抗基準値 | 地域区分3の 熱抵抗基準値 | 地域区分4~7の 熱抵抗基準値 | |
屋根または天井 | 5.7 | 4.0 | 4.6 | |
壁 | 2.9 | 1.7 | 1.7 | |
床 | 外気に接する部分 | 3.8 | 3.8 | 2.5 |
土間床等の外周部の基礎 | 外気に接する部分 | 3.5 | 3.5 | 1.7 |
その他の部分 | 1.2 | 1.2 | 0.5 |
鉄骨造住宅の熱抵抗値の基準値と算出した大和ハウスの熱抵抗値と比較します。
「スタンダードV」の熱抵抗値(R値)
熱抵抗値(R値)の比較 鉄骨造
断熱材の場所 | スタンダードV 断熱仕様の 熱抵抗値(R値) | 地域区分1・2の 熱抵抗値(R値) 基準値 | 地域区分3の 熱抵抗値(R値) 基準値 | 地域区分4~7の 熱抵抗値(R値) 基準値 |
屋根または天井 | 2.63 | 5.7 | 4.0 | 4.0 |
壁 | 3.44 | 2.9 | 1.7 | 1.7 |
床 | 1.76 | 3.5~4.7 | 3.5~4.7 | 2.2~2.5 |
合計 | 7.83 | 12.1~13.3 | 9.2~10.4 | 7.9~8.2 |
断熱グレード「スタンダードV」の熱抵抗値(R値)の合計を見ていくと、地域区分4~7の基準値はわずかに足りないものの、ほぼクリアできています。
続いて、「ハイクラスV」の熱抵抗値(R値)の合計を見ます。
「ハイクラスV」の熱抵抗値(R値)
熱抵抗値(R値)の比較 鉄骨造
断熱材の場所 | ハイクラスV 断熱仕様の 熱抵抗値(R値) | 地域区分1・2の 熱抵抗値(R値) 基準値 | 地域区分3の 熱抵抗値(R値) 基準値 | 地域区分4~7の 熱抵抗値(R値) 基準値 |
屋根または天井 | 5.26 | 5.7 | 4.0 | 4.0 |
壁 | 3.44 | 2.9 | 1.7 | 1.7 |
床 | 1.76 | 3.5~4.7 | 3.5~4.7 | 2.2~2.5 |
合計 | 10.46 | 12.1~13.3 | 9.2~10.4 | 7.9~8.2 |
ハイクラスVの熱抵抗値(R値)の合計は、地域区分3(青森県・岩手県・秋田県)の基準値をクリアしました。東北地方の寒さにも対応できる断熱性を理論上は確保しています。
最後に、「エクストラV」の熱抵抗値(R値)と比較していきます。
「エクストラV」の熱抵抗値(R値)
熱抵抗値(R値)の比較 鉄骨造
断熱材の場所 | エクストラV 断熱仕様の 熱抵抗値(R値) | 地域区分1・2の 熱抵抗値(R値) 基準値 | 地域区分3の 熱抵抗値(R値) 基準値 | 地域区分4~7の 熱抵抗値(R値) 基準値 |
屋根または天井 | 7.50 | 5.7 | 4.0 | 4.0 |
壁 | 4.81 | 2.9 | 1.7 | 1.7 |
床 | 1.76 | 3.5~4.7 | 3.5~4.7 | 2.2~2.5 |
合計 | 14.07 | 12.1~13.3 | 9.2~10.4 | 7.9~8.2 |
エクストラVは、地域区分1・2(北海道)の熱抵抗値(R値)基準値をクリアしています。最北端の寒さにも対応できる断熱仕様を持つハウスメーカーはなかなかありません。大和ハウスは全国各地で注文住宅を建てても、熱抵抗値(R値)の基準値を理論上はクリアできているので、一つの安心材料になりますね。
さらに、鉄骨造住宅のハウスメーカーを比較します。
鉄骨造住宅ハウスメーカーの熱抵抗値(R値)の比較 地域区分4~7
断熱材の場所 | 大和ハウス | パナソニックホームズ | 積水ハウス | ヘーベルハウス | セキスイハイム | トヨタ ホーム | 基準値 | 平均値 |
屋根または天井 | 5.1 | 5.53 | 5.26 | 4.73 | 5.26 | 3.16 | 4.0 | 4.85 |
壁 | 3.9 | 2.76 | 2.63 | 2.69 | 2.63 | 2.63 | 1.7 | 2.87 |
床または基礎 | 2.0 | 3.21 | 2.86 | 2.73 | 3.57 | 1.67 | 2.2~2.5 | 2.67 |
合計 | 11.0 | 11.50 | 10.75 | 10.15 | 11.46 | 7.46 | 7.9~8.2 | 10.39 |
パナソニックホームズはHS構法の標準仕様で評価し、大和ハウスはスタンダードV断熱仕様、ハイクラスV断熱仕様、およびエクストラV断熱仕様の平均値で評価しています。
3段階ある断熱グレードの平均値からの比較になりますが、他社と比較して劣ってはいません。グレードアップすれば、十分高い数値になるため、断熱仕様に関して実質一番良いと言えます。
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大和ハウス施主の声から断熱性能を検証する
ここまで、大和ハウスの断熱性能について理論的な観点から説明してきましたが、今後は実際に住んでいる人たちの声にも注目していきたいと考えています。
ネット上では、寒さについてネガティブな口コミも目立ちます。
その一方で、寒くはないというポジティブな意見も散見されます。
はたして実際のところ、寒さについてはどうなのか?
大和ハウスで家を建てた施主が実際に住んでみた感想をまとめてみました。
夏は涼しく快適だが、冬は少し寒い
大和ハウスXEVOΣの鉄骨造住宅を建てた施主の「nokio」さんは、家を建てる前から「夏は熱くて冬は寒い」と「外張り断熱工法だから保温性が高い」の論争でどっちが正しいのかずっと気になっていたようです。
しかし、実際に家を建てて1年住んでみて、自身で検証を行い、ブログで感想をまとめてくれています。ブログでは、ネットで噂されていた内容を実際に確認した結果、どのような状況になっているかを報告しています。施主の検証結果によれば、夏は涼しく、冬は少し寒いという感想でした。
出典:ダイワハウスXEVOΣで家を建てた記録 in 2018nokioダイワハウスの鉄骨の家が寒いか暑いかに関しての私の感想は、上述の通り、夏は涼しく冬はちょっと寒いです。
特に鉄骨ということで夏の暑さを気にしていましたが、思いの外涼しく、40度近い日の夕方でも外から帰ってきてモワッとする暑さを感じることはありませんでした。
これは結局、鉄骨がどうこうよりも、直射日光を避ける作りや、極力窓の面積を少なくするなど、家のプランニングの段階で断熱性を意識していたことが功を奏したのだと思います。
以前の積水ハウスのアパートに住んでいた時代と比較すると、大和ハウスの家は夏は涼しく、冬は寒いと感じるそうです。ただし、アパートとの比較で広さや窓の数、周囲の建物の接触などに差があるため、正確な比較はできないと言います。
施主の家は、LDKは27畳あり、天井高もXEVOΣの仕様である2.72mと、広々とした空間になっています。暖気が上に逃げていくので、エアコンによる暖房が効率が悪く、寒く感じるようです。
そのため床暖房を付けており、床暖房のおかげでエアコンはかなり控えめでも快適に過ごすことができているそうです。天井高が高い家は、床暖房を入れることをお勧めされています。
真冬でも暖かく、快適に過ごせて満足
施主の「箱ボックス」さんが以前住んでいた築40年以上の木造戸建住宅は、周囲に建物があり、日当たりも悪く暖房器具は灯油ファンヒーターとこたつだったそうです。気密性がなく、灯油ファンヒーターを消すと10分で室温が下がり、朝起きて居間に行くと極寒だったようですが、xevoΣで家を建てて1年住んで見た感想をブログでまとめてくれています。
1年過ごしてみた結果、気密性が高いので真冬でも暖かく、床暖房は止めても30分ほど暖かいという結果でした。
出典:xevoΣ の覚え書き箱ボックス暖かいか寒いか、という話は地域や立地などの条件にも左右されますし、個人の主観によるところも大きいと思うので、実際に家を建てて住んでみるまでは安心できなかったのですが、結果暖かく過ごせて満足です。
施主は効率的な暖房対策を実現するため、天井高の低さ、床暖房の導入、18畳用のエアコンの設置、階段に軽量のライトスルースクリーンを設けることなど、様々な点を設計時に考慮しました。
特に、床暖房は効率的な暖房方法であり、エアコンもリビングとキッチンを合わせた広さのものを選択することで効果的に暖めることができます。また、階段に扉を設けることで、暖かい空気が逃げてしまうのを防ぎ、軽量のライトスルースクリーンを使用することで、効果的に寒さ対策を実現しました。
軽装でも家の中は十分暖かい
次に紹介する施主は、遼【Ryo】さんですが、高気密高断熱の性能に感動しているようです。
普段は冬服はフリース、インナーに授乳用のタンクトップの軽装で生活しているにもかかわらず、屋内での温度管理がしっかりしているため、一年中快適に過ごせています。
屋内の気温は、冬でも24℃と非常に快適であり、屋外がー1℃であっても、屋内の温度は十分な熱量が保たれているようです。また、真冬の朝の階段の温度は14.9℃であり、これは高気密高断熱の効果が現れていることを示しています。
出典:【データ】真冬の断熱と明細書-ダイワハウスで家づくり遼【Ryo】たしかにリビングが24℃あって、
廊下と階段の方に行けば10℃低くなるから寒く感じるでしょうね。でも実際の屋外の気温に比べたら暖かいなぁと思いました!
遼【Ryo】さんも床暖房を使用しており、家の暖かさには十分満足しており、大和ハウスを選んで良かったと感じているようです。
いずれの施主も全館空調を入れてはおらず、床暖房とエアコンの装備になりますが、十分に快適に過ごせているようです。
寒さの原因は、大きな窓とリビング階段と廊下のある間取り
最後に紹介する「えむの家」さんは、夏の暑さは冷房の効果があり快適であったそうです。
冬の暖房効果もすぐに暖かくなるようですが、暖房のない洗面脱衣所が寒く、後悔しているとのことです。
出典:えむの家えむの家実際に住んでみて
「寒さ」には鉄骨であるということより窓や間取りがとても影響すると感じました。我が家の場合は、「大きな窓」と「リビング階段」と「廊下のある間取り」が家の寒さに影響している大きな要因だと思います。
特に我が家の場合、真冬に感じるのは洗面脱衣所の寒さです。
「廊下のある間取り」「窓のある部屋」が寒くなる要因だと感じます。
えむの家さんは、間取りと窓が熱を逃がしている原因であると考えているとのことでした。
参考までにブログの記事内でも記載がある、「えむの家」さんの家の仕様を紹介します。
「えむの家」さんのお家は、大和ハウスのxevoΣを使用して建てられた、延床面積33坪の素敵な住まいです。立地は平均気温約16度の地域で、年間平均降水量は約1,000~1,600mmと少雨で温暖なエリアに位置しています。雪は滅多に降らず、真冬の1月でも最低気温は約0度前後と穏やかです。
このお家は、スタンダードVの断熱材を使用し、優れた断熱性能を備えています。リビング・ダイニング・キッチンは広々とした約20帖のスペースで、3つの大きな掃き出し窓が設置されています。窓のサイズは標準で2m40cm程度で、アルミ樹脂複合サッシのトリプルガラスが使われています。真冬には窓がほんのりと冷たさを感じることもありますが、全ての部屋には窓が備えられており、充分な自然光を取り入れることができます。
さらに、リビングには魅力的なリビング階段が設けられています。敷地は北と南に隣家が建っており、東西は道路となっている立地です。南側には隣家がありますが、午前中には陽射しが入り、たくさんの日差しが差し込む日は暖かく過ごすことができます。
いかがでしょうか。
これから家づくりをされる方は、ぜひ間取りなども参考にしてみてください。
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断熱性能は職人の腕で変わる
大和ハウスの断熱性能を検証してみたところ、他社よりも低いという結果は得られませんでした。
しかし、断熱材の性能が高いだけで安心することはできません。高い断熱性能を持つ住宅を建てるためには、現場での正しい施工が非常に重要であることが言えます。
建築士およびホームインスペクターの市村博氏と市村崇氏は、自身の著書でこのように述べています。
断熱材の性能に関しては、熱還流率とか抵抗値とか、各社ホームページで謳っていますが、それは材料自体の数字でしかないんですね。本題は、現場でそれをどうやっておさめているか。
断熱材自体の性能よりも、隙間なくきちんと施工されているかどうか。
出典:家を建てる前に読む!絶対にしくじらないハウスメーカー選び
実際に、大和ハウスの施工現場を調査したハウスメーカーレビューさんのサイトを見ると、断熱材を敷き詰める際に隙間が発生し、暖気がもれていることを指摘されています。
出典:ハウスメーカーレビュー
きちんと施工されているように見えても、サーモカメラで見ると温度のばらつきがわかります。
出典:ハウスメーカーレビュー
理論上は断熱性能に問題がなかったとしても、実際に施工中にミスが発生すると、これまでかけた時間や費用が全く無駄になってしまうことがあります。
正しい施工が行われているかどうか心配な場合は、ホームインスペクターに依頼して、第三者の目で指摘してもらうことをお勧めします。
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大和ハウスの断熱性能のまとめ
この記事では、大和ハウスの断熱性能について調査しました。
まとめると、以下のような結果が出ました。
大和ハウスは、基本的な断熱性能がしっかりしています。
さらに、3種類の空調システムと3段階の断熱グレードを組み合わせることで、寒冷地でもより快適に過ごすことができます。ただし、現場の施工に問題があると、十分な性能が発揮されなくなるため、ホームインスペクターのチェックなども行うことが重要です。
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お風呂のリフォームで冬も快適!断熱効果アップのポイント
寒い季節、特にお風呂場での冷えを感じやすいですよね。家全体の断熱も重要ですが、まずはお風呂の断熱から始めてみませんか?
床材シートの貼り付け
お風呂のリフォームでは、床材シートの貼り付けがおすすめです。そのメリットは二つあります。
転倒防止
床材シートを使うことで、転倒リスクを最小限に抑えることができます。クッション性があり、滑りにくい素材を選ぶことで、家族全員の安全を確保しましょう。
冷えを感じない浴室
断熱性の高い素材を使用すれば、浴室内の冷えを感じにくくなります。特に冷たい季節には足元の冷えを軽減し、入浴を快適にします。
浴室乾燥機の設置
次に、浴室乾燥機の設置がおすすめです。
寒い季節の快適な入浴
浴室乾燥機を利用することで、寒い季節でもお風呂内を暖かく保つことができます。入浴前にお風呂場を温め、快適なバスタイムを楽しんでください。
湯はりと浴室暖房の連動
冬場には湯はりと浴室暖房を連動させ、リビングとの温度差を解消。ヒートショック対策にもなります。
お風呂のリフォーム専門家に相談
お風呂のリフォームは専門家に相談するのが一番です。お風呂のリフォーム屋さんでは、即日解決!見積り・相談・点検が無料です。相見積もりもOK!自社施工なのでコストも抑え、大手にも負けない価格と品質で提供しています。
お風呂の悩みを解消し、快適な入浴空間を手に入れましょう。
【お風呂のリフォーム屋さん】浴室リフォーム・部分工事・フルリフォーム・浴室乾燥機設置
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オンラインとオフラインの両方でリフォームプランをサポートしてくれるため、遠方にお住まいの方でも安心して相談できます。ハウジングバザールを利用することで、理想のリフォームを実現する一歩を踏み出しましょう。建築業界のプロフェッショナルがあなたのニーズに合った工務店をご紹介します。