積水ハウスは寒い?断熱性能を検証してみる

積水ハウス

今から新築で家を建てるのであれば、夏は蒸し暑くて、冬は寒すぎて布団から出たくなくなるような断熱性能が低い家は避けたいですよね?

私の実家は木造住宅で、真夏は暑すぎて寝つきが悪く、真冬は寒すぎて寝起きが悪かったです。
季節の問題でそういうものかなと思っていましたが、大人になって家作りについて勉強をしていくと、家が暑すぎたり、寒すぎたのは断熱性・機密性の問題であることがわかってショックを受けました。

夢のマイホームを建てるなら、1年中快適な温度で暮らせるように断熱性能は必ずチェックしたいところです。ここでは、積水ハウスの断熱性能は高いのか?を検証しました。

本記事のまとめ

・断熱材の断熱性能は、理論上UA値とR値で比較して他社と差はない
・断熱材の正しい工法や施工をできるかどうかで断熱性能が変わってくる

私の結論では、積水ハウスの断熱材の断熱性能は他社と変わりないので、積水ハウスの家は寒いとは言えないと考えています。

むしろ実際の現場で施工する会社の仕事までを監督して見ずに、最後の詰めの部分を甘くしてしまうことで、せっかく長い時間をかけて考えて来た家作り計画がすべて無駄になってしまう可能性もあります。

詳しく知りたい方は、記事をご覧ください。

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出典:【ホームズ】住まいの窓口

積水ハウスの断熱材は高性能グラスウール

積水ハウスは断熱材に高性能グラスウールを採用しています。

部位木造住宅の断熱材鉄骨造住宅の断熱材
天井高性能グラスウール16K高性能グラスウール16K
高性能ロックウール16K高性能グラスウール16K
押出法ポリスチレンフォーム3種押出法ポリスチレンフォーム3種

そもそもグラスウールとは何かについてから解説します。

グラスウールは、ガラス繊維です。
家庭から回収されるガラスびん等の資源ごみを再利用して作られており、主原料となるガラスの80%以上がリサイクルガラスでできています。ガラスをふわふわの綿状の繊維にしたもので、ミクロン単位の細かい繊維が熱を伝えにくい空気を閉じ込めるため、断熱性能を高めてくれます。

そして、1970年頃に北海道で住宅用断熱材が一般的に使用されてから、全国に普及した1985年頃の際には住宅の80%がグラスウールを使用するようになります。現在でも日本の断熱材マーケットではグラスウールがトップシェアであり、最も使用されている断熱材です。

日本の断熱材マーケットシェア

出典:What’s“グラスウール”?の資料を基に作成

同じようにアメリカやヨーロッパ等でもグラスウールは高いマーケットシェアを取っています。
日本でも世界でも人気の断熱材です。

米国の断熱材マーケットシェア

出典:What’s“グラスウール”?の資料を基に作成

そんなグラスウールですが、積水ハウスでは高性能グラスウールを採用しています。
高性能グラスウールとは、より密度が高くなり、断熱性がアップした一般的なグラスウールよりも高性能な断熱材です。

一般のグラスウールは10kg/㎥(平均繊維径 約7~8ミクロン)に対して、
積水ハウスの高性能グラスウールは16kg/㎥(平均繊維径 約5~6ミクロン)です。

1kg/㎥=1㎥あたりの重さを示します。1㎥あたりの密度が高い=繊維と繊維の間の空気のスペースが小さくなることから、kg/㎥の数字が大きければ大きいほど断熱性が高くなります。

そんな高性能グラスウールですが、施工から数十年経過をしても断熱性能を維持したできているという測定調査の結果が出ており、耐久性に優れた断熱材であることも明らかとなっています。

熱性能(熱抵抗値)測定調査

採取グラスウール種類(設計図書)測定時点での使用年数施工当時の規定値測定結果
新潟県高性能グラスウール16K100mm16.52.93.1
長野県高性能グラスウール16K100mm10.92.93.1
群馬県高性能グラスウール16K100mm12.92.93.1
宮城県グラスウール10K50mm26.81.21.2
出典:断熱エコリフォームはグラスウールで実現!のデータを基に表を作成

10年~26年を経過した4試料は施工当時の規定値であり、今の規定値とは変わりますが、
当時の基準から見ても年月を経ているにもかかわらず、性能が落ちていないことが確認されています。

断熱効果が上がれば、住宅への熱の出入りが少なくなるので、真夏の冷房や真冬の暖房の費用削減となり家計にもやさしくなります。

出典:断熱エコリフォームはグラスウールで実現!

オリジナル断熱仕様「ぐるりん断熱」

これまでは、積水ハウスが採用している高性能グラスウールについて解説しましたが、
今度は積水ハウスのオリジナル断熱仕様「ぐるりん断熱」について見ていきます。

2010年9月1日より全ての軽量鉄骨系戸建商品には、断熱性能を向上させた「ぐるりん断熱」を標準採用すると発表しています。

断熱材をバランスよく配置し小さな熱の出入りも見逃さない、オリジナル断熱仕様「ぐるりん断熱」。家全体で、高い断熱性と気密性を高め、「夏涼しく、冬暖かい」快適な住まいをつくります。

出典:積水ハウス

ぐるりん断熱とは、隙間ができて熱が逃げやすい天井・壁・床の部位ごとに最適な断熱材で敷き詰め、名前の通りすっぽりと家全体を覆うようにすることで、熱の出入りを抑えて断熱性を確保し、温度差の少ない暖かさを実現する断熱工法です。

鉄骨住宅で快適に過ごすには、外壁と内壁の間にある鉄骨柱が外気の影響を受けて熱を伝えないようにする熱橋対策が重要となりますが、ぐるりん断熱は鉄骨の周囲にしっかりと断熱材を敷き詰めることで、家じゅうを暖かさで包んでくれるようです。

以上のように、積水ハウスは、断熱性能において高い水準を備えています。
品確法性能表示制度では、積水ハウスの住宅は「等級5」という基準に標準的に適合しています。

また、積水ハウスは断熱性能を向上させるための技術を取り入れており、室内の温度ムラを最小限に抑えることができます。さらに、積水ハウスの住宅は「ZEH外皮基準」と呼ばれる基準をクリアしています。これは、Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)の外皮性能を指すものであり、非常に高いエネルギー効率を実現しています。

そして、積水ハウスでは、断熱性能を確実に実現するために、以下の工夫を行っています。断熱材が壁体内でずれ落ちることのないように、断熱内壁枠を使用しています。

また、熱橋を極力排除するために、内壁下地壁枠取付金具を採用しています。これにより、長期にわたって確かな性能を発揮し、信頼性の高い断熱性能を実現しています。結果として、積水ハウスの住宅は「冬暖かく、夏涼しい」という快適な環境を提供することができます。

熱が逃げやすい窓も高い断熱性を確保

積水ハウスは、家の中で最も熱が逃げやすい窓に着目し、業界トップのアルミ系サッシを採用しています。特に、積水ハウスの「SAJサッシ(超高断熱アルミ樹脂複合サッシ)」は、外部の厳しい日射しに耐える耐候性の高いアルミと、室内の質感や断熱性の高い樹脂を組み合わせた複合構造を持っています。

一般的なアルミ樹脂複合サッシに比べ、積水ハウスのSAJサッシは、室内側の樹脂被覆を増やし、枠部のアルミに断熱樹脂を挟むなど、断熱性・防露性・気密性を更に向上させています。そのため、SAJサッシの断熱性能は約1.4倍になり、業界最高水準の性能を誇っています。さらに、積水ハウスでは、断熱性能を一層向上させるために、「薄板トリプルガラス」や「真空複層ガラス」といった超高断熱ガラスも提供しています。

寒冷地でも施工できる断熱仕様を用意

次に住宅展示場やショールームがある地域から、積水ハウスの家を建てられるエリアを見ていきます。

積水ハウスのホームページを見ていくと、沖縄以外の地域で住宅展示場とショールームがあることが確認できました。温暖な九州四国だけでなく、寒冷な北海道や東北地方も網羅しています。

積水ハウスの住宅展示場がある地域と件数

地方名県名
北海道・東北39件北海道3件、青森5件、岩手4件、宮城8件、秋田3件、山形4件、福島12件
関東・甲信越152件東京28件、神奈川29件、埼玉28件、千葉19件、茨城14件、栃木13件、
群馬7件、山梨4件、新潟5件、長野5件
東海・北陸74件愛知34件、岐阜8件、静岡16件、三重9件、富山1件、福井4件、石川2件
近畿58件大阪15件、兵庫16件、京都9件、滋賀9件、奈良5件、和歌山4件
中国28件広島9件、岡山10件、山口5件、鳥取2件、島根2件、
四国11件徳島2件、香川3件、愛媛4件、高知2件
九州30件福岡10件、佐賀3件、長崎4件、熊本4件、大分4件、宮崎2件、鹿児島3件
出典:積水ハウス

積水ハウスの住宅展示場がある日本地図

出典:積水ハウスの資料を基にStart Pointで地図を作成

青色に塗っている箇所がその対象です。
沖縄県以外の全国に積水ハウスの住宅展示場はあります。


そして、積水ハウスでは施主のライフスタイルに合わせて選べる3段階の断熱仕様が用意されています。

出典:積水ハウス

標準仕様でも、関東・甲信越・東海・北陸・近畿・中国・四国・九州までの地域まではカバーできますが、より断熱性能を高めたい場合には断熱材を厚くして仕様をグレードアップすることができます。
プレミアム仕様まで用意されているため、寒冷地である北海道でも安心です。

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積水ハウスの断熱性能を検証する

積水ハウスは、鉄骨造住宅と木造住宅の両方があります。
2022年度の経営計画説明会の資料には、鉄骨造:木造=8:2の割合と記載があります。

昨年(2021年)はウッドショック等により、6 月以降価格転嫁を実施。
その結果、鉄骨住宅と木造住宅の受注割合が従前の 7:3から 8:2 と木造住宅の受注割合が減少した。

出典:積水ハウス株式会社 2022年度 経営計画説明会 質疑応答

鉄骨造住宅が売上の大半ですが、木造も含めて断熱性能を確認してみます。

積水ハウスの標準仕様の断熱材は、以下になります。

部位木造住宅の断熱材鉄骨造住宅の断熱材
天井高性能グラスウール16K高性能グラスウール16K
高性能ロックウール16K高性能グラスウール16K
押出法ポリスチレンフォーム3種押出法ポリスチレンフォーム3種

木造も鉄骨造もほぼ同じですが、壁の断熱材だけが高性能ロックウールか高性能グラスウールかの違いとなっています。次に、同じ鉄骨系の住宅ハウスメーカーと積水ハウスを比較した場合の断熱効果における違いを検証します。

外皮平均熱貫流率(UA値)の検証

まずは外皮平均熱貫流率(UA値)を見ていきます。
外皮平均熱貫流率(UA値)とは、室内の熱が外に逃げやすいかを数値化したものです。
住宅の内部から床や外壁、屋根や天井を通じて外部へと熱が逃げていく数を平均化し、家全体の断熱性能を表します。

鉄骨骨住宅ハウスメーカーの外皮平均熱貫流率(UA値)比較

ハウスメーカー名UA値
ヘーベルハウス0.60
セキスイハイム0.60
パナソニックホームズ0.60
積水ハウス0.50?
トヨタホーム0.60
ダイワハウス0.50?
基準値(建築物省エネ法5.6)0.87
出典:さとるパパの住宅論JFEロックファイバー株式会社の資料を基に表を作成

外皮平均熱貫流率(UA値)は、低い方が断熱性能が良いと言えます。
基準値の0.87より積水ハウスは下回っています。

他の鉄骨造住宅ハウスメーカーも同様に近い外皮平均熱貫流率(UA値)なので、
積水ハウスだけが他社と比較して寒いとはここでは言えません。

熱抵抗値(R値)の検証

次に、熱抵抗値(R値)になります。
熱抵抗値(R値)は断熱材そのものの断熱性を示す数値になり、使用している断熱材の性能を見ます。

まず、積水の断熱材において各種類の熱伝導率を調べます。
熱伝導率の値が小さければ小さいほど、高い断熱性能といえます。後は断熱材の厚みがあればあるほど、最終的な熱抵抗値の数値は大きくなり、断熱性能が高いということが言えます。

鉄骨造と木造のそれぞれの断熱材の厚さと熱伝導率から、熱抵抗値(R値)を算出します。

■積水ハウスの断熱材における熱抵抗値(R値) 鉄骨造

部位断熱材厚さ熱伝導率熱抵抗値(R値)
天井高性能グラスウール16K200mm0.0385.26
高性能グラスウール16K100mm0.0382.63
押出法ポリスチレンフォーム3種80mm0.0282.86
出典:まかろにお動画資料館を基に表を作成

■積水ハウスの断熱材における熱抵抗値(R値) 木造

部位断熱材厚さ熱伝導率熱抵抗値(R値)
天井高性能グラスウール16K200mm0.0385.26
高性能ロックウール16K100mm0.0382.63
押出法ポリスチレンフォーム3種80mm0.0282.86
出典:まかろにお動画資料館を基に表を作成

鉄骨造も木造のどちらも使用している断熱材は同じで、厚さも熱伝導率も変わらないため、
どちらの熱抵抗値も整理すると、

天井: 5.26㎡k/W
壁 : 2.63㎡k/W
床   : 2.86㎡k/W

となります。
こちらがネット上でわかっている標準仕様の断熱材ですが、
グレードアップした参考事例がありました。

地域:大阪府(6地域)
構造:イズロイエ(鉄骨造)
断熱仕様:1地域 グリーンファーストゼロ仕様

部位断熱材厚さ熱伝導率熱抵抗値(R値)
天井高性能グラスウール16K240mm0.0386.32
高性能グラスウール16K140mm0.0383.68
押出法ポリスチレンフォーム3種137mm0.0284.89
出典:ジルわこハウスを基に表を作成

グレードアップした断熱材は素材はそのままに、厚さが変わりました。

天井:200mm → 240mm(+40mm
壁 :100mm → 140mm(+40mm
床 : 80mm → 137mm(+57mm

その結果、

天井: 5.26㎡k/W → 6.32㎡k/W(+1.06㎡k/W
壁 : 2.63㎡k/W → 3.68㎡k/W(+1.05㎡k/W
床   : 2.86㎡k/W → 4.89㎡k/W(+2.03㎡k/W

となります。
グレードアップした場合は数値がまるで変わります。

そして、鉄骨造住宅と木造住宅の熱抵抗値の基準値と比較していきます。
積水ハウスで建てられる住宅の断熱地域区分を調査すると、建築物省エネ法では沖縄県を除いた断熱地域1~7に区分されます。 

建築物省エネ法の地域区分都道府県名
1、2北海道
青森県、岩手県、秋田県
宮城県、山形県、福島県、栃木県、新潟県、長野県
5、6茨城県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、富山県、
石川県、福井県、山梨県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、
滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、
島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、
高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県
宮崎県、鹿児島県
沖縄県
出典:JFEロックファイバー株式会社の資料より基に表を作成。青字は積水の住宅展示場とショールームがあるエリア

まずは、鉄骨造住宅の地域区分と熱抵抗値の基準値です。

断熱材の熱抵抗値の基準値
 (木造、枠組壁工法又は鉄骨造の単位住戸・ 外張断熱工法または内張断熱工法)

部位地域区分1~2の
熱抵抗基準値
地域区分3の
熱抵抗基準値
地域区分4~7の
熱抵抗基準値
屋根または天井5.74.04.6
2.91.71.7
外気に接する部分3.83.82.5
土間床等の外周部の基礎外気に接する部分3.53.51.7
その他の部分1.21.20.5
出典:JFEロックファイバー株式会社の資料より基に表を作成

続いて、木造住宅の地域区分ごとの熱抵抗値の基準値。

断熱材の熱抵抗値の基準値
 (木造の単位住戸・充填断熱工法)

部位地域区分1~2の
熱抵抗基準値
地域区分3の
熱抵抗基準値
地域区分4~7の
熱抵抗基準値
屋根または天井屋根6.64.64.6
天井5.74.04.0
3.32.22.2
外気に接する部分5.25.23.3
その他の部分3.33.32.2
土間床等の外周部の基礎外気に接する部分3.33.51.7
その他の部分1.21.20.5
出典:JFEロックファイバー株式会社の資料より基に表を作成

こちらで鉄骨造住宅と木造住宅の熱抵抗値の基準値がそれぞれわかりました。
算出した積水ハウスの熱抵抗値と比較します。

熱抵抗値(R値)の比較  鉄骨造

断熱材の場所積水ハウス地域区分4~7の
熱抵抗値(R値)基準値
屋根または天井5.264.0
2.631.7
2.862.2~2.5
合計10.757.9~8.2

地域区分4~7で見ると、標準仕様の断熱材で基準値はクリアしています。

断熱材の場所積水ハウス
(寒冷地仕様)
地域区分1~2の
熱抵抗基準値
地域区分3の
熱抵抗基準値
屋根または天井6.325.74.0
3.682.91.7
4.893.8~4.73.8~4.7
合計14.8912.4~13.39.5~10.4

地域区分1~3の場合で見ても、積水ハウスで寒冷地仕様に断熱性能を上げれば熱抵抗値の基準値を十分に上回っています。

熱抵抗値(R値)の比較  木造

断熱材の場所積水ハウス地域区分4~7の
熱抵抗値(R値)基準値
屋根または天井5.264.0~4.6
2.632.2
2.862.2~5.5
合計10.758.4~12.3
断熱材の場所積水ハウス
(寒冷地仕様)
地域区分1~2の
熱抵抗基準値
地域区分3の
熱抵抗基準値
屋根または天井6.325.7~6.64.0~4.6
3.683.32.2
4.894.7~8.54.7~8.5
合計14.8913.7~18.410.9~15.3

木造の場合でも基準値の範囲におさまっています。
熱抵抗値は、高ければ高いほど良く、屋根・天井・床のどの部位においても一定の基準値には達していました。

さらに、鉄骨造住宅のハウスメーカーを比較します。

鉄骨造住宅ハウスメーカーの熱抵抗値(R値)の比較 地域区分4~7

断熱材の場所積水ハウスヘーベルハウスセキスイハイムパナソニックホームズトヨタ
ホーム
ダイワハウス基準値平均値
屋根または天井5.264.735.265.533.165.14.04.85
2.632.692.632.762.633.91.72.87
床または基礎2.862.733.573.211.672.02.2~2.52.67
合計10.7510.1511.4611.507.4611.07.9~8.210.39
出典:まかろにお動画資料館失敗・後悔しない家づくりブログ【新築・注文住宅】を基に表を作成
ジルわこハウスの積水ハウス鉄骨造のデータを基に表を作成

パナソニックホームズは、HS構法/F構法をそれぞれの平均値で計算し、ダイワハウスは3種類の仕様(スタンダードV断熱仕様、ハイクラスV断熱仕様、エクストラV断熱仕様)の平均値で計算しています。

6社の平均値と比較しても、大きな違いはありません。トヨタホームを除いて、どこも大体同じくらいの熱抵抗値(R値)であると言えます。

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積水ハウス施主の声から断熱性能を検証する

積水ハウスの断熱性能については、これまで理論的な面からお話ししてきましたが、実際に住んでいる施主の方々からの感想も気になるところですね。

SNSの口コミ投稿を見ると、寒いと言うネガティブな声が散見されます。

積水ハウスのイズロイエはくっそ寒い(我が家の場合はua値0.44 C値実測1.4(寒冷地気密オプション40万追加でやっとこの値)んだけど、それでも暖房回しっぱなら不快にはならない程度にはできる(ただし暖房つけっぱ オフにすると翌朝までには今の季節あっというまに17度などに落ちる

出典:とす @tosu12345|午後8:33 · 2022年12月26日

積水ハウス建てましたが、正直クソです
夏暑く冬寒い。隙間風上等。まず社内の体質が腐ってる。

出典:サト @sato_west|午後1:30 · 2021年11月14日

ネガティブな声の一方で、快適な生活ができていると満足している施主の声もありました。

今年初の床暖房。
我慢できずにつけちゃったけど、やっぱり快適だぁ。床暖房幸せー。
積水ハウスで作る家にも床暖房必須。
予算オーバーしてるけど、床暖房は削れないー。削らないー。

出典:Soron積水ハウスでセカンドハウス建てました @soron1901|午後10:39 · 2021年10月20日

積水ハウスの断熱性能に対して、意見が真っ二つに分かれますが本当の所は何が正しいのか判断付かないですね。そこで、今回は積水ハウスの施主のブログからの引用を通じて、実際に住んで見た感想をご紹介いたします。一つの参考として見てください。

家の中でダウンを着るほど寒いけど、気にしていない

私の住んでいる大手ハウスメーカー積水ハウスの鉄骨の家は寒いです。

冬場、寒さのために、家の中でダウンジャケットを着ている季節もあります。
一昨年の冬は、窓のサッシが家の中から凍りつくこともありました。

出典:Lhouse

こちらの施主は長野県の諏訪市・松本市で、積水ハウスの鉄骨造住宅に20年住んでいます。
建築物省エネ法の地域区分は「4」であり、同じ地域区分には宮城県、山形県、福島県、栃木県、新潟県が並んでいます。

諏訪市の日平均気温の月平均値(℃)で見ると、真冬の1月は-0.4度です。
東京の1月平均は5.5度なので、なかなか寒いです。

1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
年の値
2018-1.3-1.16.112.316.219.925.525.119.414.38.62.912.3
2019-0.81.14.69.115.818.822.325.021.315.27.73.312.0
20202.12.05.88.416.620.721.525.621.112.68.32.112.2
2021-0.32.17.09.915.619.523.223.719.514.17.42.412.0
2022-1.8-1.45.512.215.320.124.024.421.312.78.42.812.8
平均-0.40.55.810.415.919.823.324.820.513.88.12.712.3
出典:気象庁のデータを基に表を作成 

20年住んだ感想としては、積水ハウスの鉄骨造住宅は寒いらしく、家の中でダウンジャケットを着ている季節もあり、窓のサッシが家の中から凍りつくこともあったそう。
しかし、暖房をつけるのは1月と2月のみで寒さには不満はないそうで、「寒さの感じ方は人それぞれだし気にしていない。」と話します。

寒さが悪いと考えるのではなく、逆に施主の家庭にとって適度な寒は必要なものと考えています。

本当に大事な事は、寒さについて家族それぞれがどのように考えているかと言うことを、家づくりをお任せする担当者の方に、引き出していただき、何を望んでいるかをはっきりさせること。

出典:Lhouse

同じ地域の同じ造りの家に住んでも、暑がりの人も寒がりの人もいます。
家族内が話し合って本人たちが納得すれば、多少寒くても断熱性は問題ないと判断する人もいると言えます。

施主本人は寒さを気にしていないが…。

2018年に積水ハウスの鉄骨造住宅であるイズ・ロイエを購入している施主は、
鉄骨造住宅は寒いのかを自ら検証しました。

測定場所測定温度外気温との差
玄関10.8度4.2
LDK21.8度15.2
洗面所12.6度6.0
寝室15.1度8.5
平均15.1度8.5度
出典:ともくらしの記事を基に表を作成

LDKは南側に位置し、昼間は暖房つけなくても十分な暖かさがある一方で、
洗面所は外気温+6度しかなく、北側のリビングと廊下を挟んだ位置にあるようで寒いとのこと。
しかし、施主は住んでみて寒いと感じてはいません。

洗面所は外気温と差がほとんどない寒さなので、高齢の両親が一緒に住むとなるとヒートショックの影響が心配ではあります。ブログ記事に書かれているコメント欄も反応が様々です。屋内の平均気温が15度だったので、18度以下なんて寒すぎるという意見と無暖房でリビング20度以上あるのは驚いたという意見で割れています。

こちらの施主ブログを読んでも、寒いと感じるのは個人差のように思えました。

同じ積水ハウスなら木造の方が温かい

こちらの施主は、2011年頃に積水ハウスで家を建て築11年鉄骨造の自宅と、積水ハウスで築3年の木造住宅の寒さについて検証されています。

全室扉を開けた状態で、エアコンの温度を20度に設定した中で、部屋ごとに温度を計測した結果がこちらです。

項目鉄骨造木造
築年数11年3年8年
12月の光熱費29,000円15,000円14,000円
外気温9.0度5.8度3.2度
玄関12.9度14.6度-1.7度
キッチン19.0度19.2度-0.2度
窓際11.2度14.6度-3.4度
階段まわり14.7度18.5度-3.8度
水まわり15.4度19.0度-3.6度
トイレ15.4度18.1度-2.7度
居室13.9度20.1度-6.2度
出典: 家づくりにおいて大事なコトを基に表を作成

外気温は鉄骨造の方が寒いにも関わらず、すべてにおいて同じ積水ハウスの木造住宅に温度で負けてしまっています。そして、結果的に木造より倍の光熱費がかかってしまっている残念な結果に嘆く施主。窓際をアルミ樹脂ではなく、アルミサッシを選んでいたことを若気の至りと後悔しています。

以前と比較して各社の断熱性能は上がり、標準仕様で窓際もアルミ樹脂サッシを選択できるハウスメーカーも増えてきています。そして、積水ハウスに関わらず、熱伝導率から考えると一般的に鉄骨造よりも、木造の方が断熱性能が高いことが言えますので、鉄骨造と木造を比較した際には木造の方が温かいということが言えます。

以上が寒さについて調査した結果です。
積水ハウスで家を建てて寒いけど快適という施主の声と、後悔しているという声の両方あり、意見が割れています。これを鑑みると、施主個人の寒さに対する感じ方や考え方があり、積水ハウスの家は断熱性が低いとは言い切れません。

さらに寒いと感じる原因には、施工現場での断熱材の正しい工法や施工ができていないこともあったりします。

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断熱性能は職人の腕で変わる

積水ハウスの断熱性能を調べてみると、理論上は他社と差はありませんでした。
実は断熱材自体には寒さの原因となる問題なく、断熱材の機能を落とさないための正しい施工が現場の工務店でしっかりできているかどうかが最も大事なんです。

この件について、一級建築士・ホームインスペクターの市村博氏と市村崇氏は、著書の中で次のように話しています。

断熱材の性能に関しては、熱還流率とか抵抗値とか、各社ホームページで謳っていますが、それは材料自体の数字でしかないんですね。本題は、現場でそれをどうやっておさめているか。

断熱材自体の性能よりも、隙間なくきちんと施工されているかどうか。

出典:家を建てる前に読む!絶対にしくじらないハウスメーカー選び

様々なハウスメーカーの家づくりの現場に立ち会い、検査と正すように指摘してきた中立的な立場で評価をするプロの御二人は、断熱工事で大事なことは断熱材を隙間なく入れることと、防湿層を連続させることと言い切っています。

積水ハウスが主に使用しているグラスウールは、ネット上ではよく中で結露してカビが生えやすいから、断熱性能が低いというような噂があります。

実際に硝子繊維協会が発表した築27年の古い住宅を現場検証の結果では、グラスウールが黒ずんでいる例も出てきましたが、顕微鏡で繊維を繊維を細かく見ていくとカビではなく、煤(すす)や埃が溜まって黒くなっているだけであり、カビているわけではないということがわかっています。

住宅竣工昭和56年
検証日平成19年8月30日
断熱仕様天井 袋入りグラスウール 10K 100mm
壁  袋入りグラスウール 10K 50mm
床  ビーズ法ポリエスチレンフォーム 25mm
グラスウールが埃で黒ずんでいるが、結露やカビは確認されなかった。
出典:硝子繊維協会の「検証 壁の中のグラスウール」

グラスウールの中に空気や湿気が留まらないように防湿気密層をきちんと施工することで、断熱材の中に空気や湿気が入ってきません。グラスウールの正しい施工を行わないことで、黒ずみの原因に繋がっています。

またグラスウールには、経年変化によって壁の中でグラスウールがズリ落ちてしまうので、断熱効果が下がってしまうという批判もあります。
これは水を含むことでズリ落ちてしまうのですが、水漏れの原因には①結露②雨漏り③災害があげられます。特に結露は施工時の防湿・気密をきちんと行うことで内部結露を防ぐことができるので、水が入るようになっている工法や施工に問題があると言えます。

なので正しい施工さえ行えば、グラスウールは断熱性能も長期にわたって維持できる断熱材と言われています。

こちらは、2018年に積水ハウスのイズ・ロイエで2階建ての家を建てられた施主のブログから断熱材を施工している様子をレポートされた様子です。

住宅内部の壁面には、高性能グラスウール16Kの100mmを使用し、断熱材の上から気密シートが敷かれています。内断熱の施工はしっかりされています。

出典:積水ハウスで建てる初めてのマイホーム

次に同じ住宅で天井を見てみると、隙間が見られ、壁面と同じ気密シートの施工もないように見えます。もし、このまま改善されずに施工が完了した場合には、これでは十分な気密性を確保できていないので、正しく施工できていないとなりグラスウールの十分な断熱性能を発揮する可能性が低くなってしまいます。

出典:積水ハウスで建てる初めてのマイホーム

グラスウールは、特に水に弱い素材なので、水分が入らないように現場では正しい知識を持って施工していく必要があります。ちゃんと正しい施工ができているのかどうかについて不安な方は、自前でホームインスペクターに依頼して、しっかりと隙間なく入れられているかどうかを見てもらうという方法もおすすめです。

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積水ハウスの断熱性能のまとめ

本記事では積水ハウスは寒いのか?断熱性について調査をしました。

まとめると、

・断熱材の断熱性能は、理論上UA値とR値で比較して他社と差はない
・断熱材の正しい工法や施工をできるかどうかで断熱性能が変わってくる

つまり、積水ハウスが寒い場合に積水ハウスに問題あると言えないというのが私の結論です。
理論上で言えば、高性能グラスウールを正しい施工をすれば断熱性に問題はないです。

グラスウールは性質として水に弱いので、ちゃんと施工現場もチェックして目を光らせておくことをおすすめします。

お風呂のリフォームで冬も快適!断熱効果アップのポイント

寒い季節、特にお風呂場での冷えを感じやすいですよね。家全体の断熱も重要ですが、まずはお風呂の断熱から始めてみませんか?

床材シートの貼り付け

お風呂のリフォームでは、床材シートの貼り付けがおすすめです。そのメリットは二つあります。

転倒防止

床材シートを使うことで、転倒リスクを最小限に抑えることができます。クッション性があり、滑りにくい素材を選ぶことで、家族全員の安全を確保しましょう。

冷えを感じない浴室

断熱性の高い素材を使用すれば、浴室内の冷えを感じにくくなります。特に冷たい季節には足元の冷えを軽減し、入浴を快適にします。

浴室乾燥機の設置

次に、浴室乾燥機の設置がおすすめです。

寒い季節の快適な入浴

浴室乾燥機を利用することで、寒い季節でもお風呂内を暖かく保つことができます。入浴前にお風呂場を温め、快適なバスタイムを楽しんでください。

湯はりと浴室暖房の連動

冬場には湯はりと浴室暖房を連動させ、リビングとの温度差を解消。ヒートショック対策にもなります。

お風呂のリフォーム専門家に相談

お風呂のリフォームは専門家に相談するのが一番です。お風呂のリフォーム屋さん​では、即日解決!見積り・相談・点検が無料です。相見積もりもOK!自社施工なのでコストも抑え、大手にも負けない価格と品質で提供しています。

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